尾崎翠をさがす

13日は西荻ブックマークの映画「第七官界彷徨 尾崎翠を探して」上映会*1、14日は尾崎翠原作の映画「こほろぎ嬢」を見に行ってきました。「第七官界彷徨 尾崎翠を探して」は最初に上映された時にも見ているのだけれど、あらためて見てみて、本当にすてきな映画だと思ったし、尾崎翠のファンのひとりとして、このように(尾崎翠への)深い愛情を持って、映画を作ってもらえることの幸せを思い、そして翠とその友人が砂丘を歩くシーンでは涙がこぼれました。


「こほろぎ嬢」は19日まで下北沢シネマアートンhttp://www.cinekita.co.jp/)でやっています、吉行和子さん演じる松木夫人がものすごくチャーミング!!
翠ファンは必見なので是非!

(この項、できれば帰宅後に書き足したい)とか書いていたんですが、尾崎翠について書くのはとても難しい。大好きで思い入れがありすぎて、かつ「萌え」とは違う所にあるもの(「萌え」って勢いがあるから!自分のなかで)って書くのをためらうような何かが自分の中にあるなあ。

映画「こほろぎ嬢」は、尾崎翠による原作「こほろぎ嬢」「歩行」「地下室アントンの一夜」の3つの物語が原作で、映画はかなり原作に忠実に、「解釈」せずにつくられています。

尾崎翠という作家(の本を好きな人)にはどうも「大ファン」しかいないようにも感じられるのですが(本当は違うのかもしれないけれども、そういう印象がある)、それだけにひとりひとりの思い入れが強く、それぞれのイメージがくっきりとできあがっているように感じられるのですが、わたしにとってはかなり「イメージに忠実」に感じられたし、尾崎翠の本を読んだときに感じられるもやもやとしたユーモアとか、くぐもった感じとか、切ないんだけど、ちょっとくすっと笑ってしまうような感じ、がスクリーンの中に映っているのは、ファンの一人として本当に素晴らしい体験でした。

特に、ヒロインの町子が柿を食べるシーンがとてもエロティックに感じられてドキっとしました。

下北沢シネマ・アートンで19日までやっています、お時間がある人は、是非どうぞ。

http://www.cinekita.co.jp/over8/index.html